| 要約 |
IEEE 802.11無線を用いたメッシュネットワークでは,各ノードは,変調方式と符号化率の組み合わせにより定められた,複数の送信レートを利用することができる.そして,通信環境に合わせて送信レートを選択することで,スループットを最大化することができる.従来のアルゴリズムでは,Received Signal Strength Indication (RSSI)やパケット誤り率,プローブパケットを参照することでスループットの最大化を目指している.しかし,RSSIとスループットが1対1対応しないことや,隠れ端末問題による不必要な送信レート制御,さらには,複数のアンテナが存在する場合,RSSIも複数取得できることなど,様々な要因によりスループットの最大化の実現は難しい.そこで本研究では,実験により収集されたRSSIと送信レートをデータセットとし,機械学習を利用することで,各ノードが最適な送信レートを選択することによるスループットの最大化を目的とする.作成したデータセットについてサポートベクトルマシン分類(SVC),k近傍法(kNN)を用いて学習を行い,テストを行った結果,最大でスループットの最適値の83%の値を達成した. |