| 要約 |
本研究では,通信が不完全な環境下での映像を用いたロボット遠隔制御の操作性改善を考える.本研究で用いるシステムでは,処理時間の短縮やパケットロスによる複数フレーム損失を防ぐために,フレーム間圧縮伝送ではなくフレーム内圧縮伝送であるmotion JPEG方式を採用している.また,それに消失訂正を組み合わせることで,さらに映像のフリーズを抑制する.しかし,これらの方法にはデータ量の増加という問題があり,狭帯域環境では操作性がかえって低下する.この問題への対策として,私たちは映像の解像度やフレームレートが自動的に変わる機能(AVQC)をシステムに導入した.AVQCではパケットの伝送失敗率から通信状況を把握し,それに応じて映像が変化する.この機能の導入のために,私たちは,動画の質と操作性の関係性を主観評価によって調査し,設定値として適切な解像度とフレームレートの範囲を求め,システムに反映した.
また,AVQC の有効性を確認するために受信フレームレートの計測と,実際の産業用ロボットを用いた操作性主観評価実験を行った.
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