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研究業績:詳細表示 |
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| 著者 | 山里敬也,佐波孝彦,塩田茂雄,太田 能 |
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| 題目 | 査読の虎の巻 |
| 出典 | 電子情報通信学会通信ソサエティマガジン, no.23 [冬号], pp.222-230 |
| 要約 | モナリザの目の中に微細な文字が書かれているニュー スを覚えている方も多いかと思う(1).モナリザの右目に レオナルド・ダビンチのイニシャルである「LV」が確認 されたというニュースのことである.この発見だが,イ タリアの文化遺産委員会が 50 年前の文献に「モナリザ の目は暗号に満ちている」という記述を見つけ,最新の 拡大鏡で調べて分かったそうである.古い文献に示唆さ れていたことを最新の技術で再発見した好例であろう. 通信分野での再発見として思い出されるのが 1963 年 に Gallager により提案された低密度パリティ検査符号 (LDPC Code:Low Density Parity-Check Code)である(2). 当時は,計算量が膨大であることと,LDPC 符号に比 べて連接符号の誤り率特性が良かったため,1999 年に MacKay 等に再発見されるまで忘れ去られていた.現在 では衛星デジタルテレビ放送の DVB-S2(Digital Video Broadcasting-Satellite-Second Generation)や IEEE 802.16e (Mobile WiMAX:Mobile Worldwide Interoperability for Microwave Access)に採用されるなど,シャノン限界に 迫る誤り訂正符号として知られている. 以上のように,例え当時の技術では実現できなかっ たことでも,後の先端技術で再検証することで大発見 につながる事例は多い. 本会の査読の方針が「粒よりの論文をそろえるとい うよりは,玉石混在でもよい.石を拾うことを恐れる余 りに宝石となるものを逃すことがないようにする」とあ るのもこのためである.勇気をもって石を拾うことで, それらの技術・研究を論文として蓄え,未来の再発見に 呼応できるようにするのである. さて,通信ソサイエティ(以下,通ソ)には,和文 論文誌,英文論文誌そして 2012 年より発行が始まった ComEX(IEICE Communications Express)の三つの論文誌 がある.これらの論文誌では,一流の研究者を査読委員 に迎え,通信分野の優れた技術・研究論文を掲載してい る.論文誌は査読者が支えていると言っても過言でない. この場を借りて,感謝を述べさせて頂きたい. 本稿は,まだ査読を行ったことのない,あるいは査読経験が浅い若手研究者,技術者を対象に企画されたも のである.査読方針,査読の背景にある考え方などに加 えて,通ソ各論文誌の編集副委員長による具体的な事例 や考え方についてまとめたものである.査読の際の一助 となれば幸いである. |
| Authors | T. Yamazato, T. Saba, S. Shiota, C. Ohta |
| Title | The key to peer-review an IEICE article |
| Authority | IEICE Communication Society Magazine, B-Plus, no.23, pp.222-230 |
| Summary | |
| 年月 | 2012年12月 |
| DOI/Handle | |
| 研究テーマ | その他 |
| 言語 | 日本語 |
| 原稿/プレゼン資料 |