| 要約 |
本研究では無線信号が受信機の受信機感度以下であり
受信機・増幅器の雑音と比較して微弱であるような場合
を想定する.このような微弱信号は受信機において検出
することができない.しかし,雑音を利用する確率共鳴
を利用することにより検出できる可能性がある.
確率共鳴は雑音によって系の応答が向上する現象であ
る.確率共鳴を通信に適用することは以前から検討
されており,BPSK 信号において確率共鳴を利用できる
ことがシミュレーションにより示されている[3].しか
し,確率共鳴を用いた受信機(確率共鳴受信機)の実装
はなされていない.確率共鳴受信機の有効性を検証する
ために,実機において実験的にその性能を評価する必要
がある.
本稿では,信号としてバイポーラパルス信号を想定し
確率共鳴受信機を試作する.また,構成した受信機の特
性を信号対雑音比(SNR)およびビット誤り率(BER)
より実験的に評価する. |