| 要約 |
歩行者認識システムとして,まず思い浮かぶのがボルボ社の歩行者検知機能付きフルオートブレーキシステムである.
同様のシステムはダイムラー社も既に実現 している.
これらのシステムでは車載カメラで取得 した映像から歩行者を何らかのパターン認識アルゴリズ ムで検知する.
当然ながら,精度良く歩行者を検知するためには対象とする歩行者についての十分な画像情報が必要となる.
具体的には取得された画像における歩 行者の占めるピクセル数がある程度無ければならない.
十分な画像情報が得られたとしても,歩行者は様々なテ クスチャーを持つため歩行者として認識するための特徴 抽出も難しい.
また,歩行者を認識するためには,雑音 となる背景と歩行者を効率良く分離できなければならない.
加えて,移動する車輌の場合,取得画像全体が動く ため,動き補償を行うアルゴリズムが必要となる.
当然, 歩行者認識アルゴリズムは高速,すなわち数フレームで完了しなければ実用上問題となる.
我々は LED アレイを送信機,高速度カメラを受信機とする路車間可視光通信について検討している.
通信を行うに当たっては,高速度カメラで取得した画像から LED アレイを認識,さらに追従しなければならない.
既に LED アレイの高速認識・追従のためのアルゴリズ ムは完成しており, 現在,リアルタイム動作を行うための装置の試作を行っている.
本稿では,歩行者が LED アレイを身につけているも のとし,歩行者の認識を LED アレイの認識に置き換えた状況を想定し, 高速度カメラによる LED アレイの高速認識を考える. |